睡眠の質によって認知症は予防できる

睡眠の質によって認知症は予防できる

認知症の不眠や睡眠障害

認知症患者の症状として不眠や睡眠障害などがあります。一般的に高齢者になると眠りが浅くなりがちで夜中などに目が覚めてしまうことがよくあります。また体の不調、例えば関節などの痛みや床ずれなどがある場合などはその痛みのせいで目が覚めてしまったりもします。これに加えて認知症患者の場合、神経伝達物質の量が変化することによって眠りの障害となってしまう可能性が高いといわれています。中途覚醒や浅い眠りが繰り返されることによって眠りの質が悪くなってしまうのです。夜にそういう状態になっているということは逆に日中は眠気が襲ってきて昼寝をしてしまったりします。

そして眠りに関して障害のような状態へとつながってしまいます。これを予防するために日中に散歩に出かけたり、軽い運動をする、また眠れるように薬を飲むなどの対応をしてようやく夜眠れるという状態になるという人もいます。昼夜逆転生活なので、夜なのに出かけようとしたり、おなかがすいたと訴えたり、日中は居眠り、自分の部屋で1人いると寂しく感じて家族を呼ぶなどの発言や振る舞いの変化があらわれます。これはなぜかといいますと、加齢と共に脳の視交叉上核の機能が低下し、認知症の場合はさらに悪化してしまいます。それによって体内時計が狂い、昼夜逆転生活が始まってしまうのです。

ちなみに視交叉上核の役目は血圧のバランスを整え、ホルモンの分泌をしたり、自律神経を調節したりします。この病気の方は眠る時に電気を消すと不安になり、怖がったりもしますので電気やテレビなどをつけっぱなしで眠ってしまうことも珍しくありません。眠りの障害が起きると同時に症状が出やすいのはせん妄です。せん妄とは頭が混乱した状態になっていることで、時には暴力をふるってしまうこともあります。人によっては幻覚を見たり興奮状態で大声をだしたりということもあります。

しかし、せん妄に関しては治療は可能なので安心です。せん妄の原因は体調の悪さや環境の変化、昼夜逆転などが関係しています。また薬の副作用やストレス過多も原因となりやすいです。もしせん妄の症状があらわれた時に暴力や暴言があった場合は少しそばを離れて様子をみましょう。なだめようとすると逆に興奮して転倒してしまうこともあります。そして、ゆっくりとハッキリと話しかけることが大切です。話している内容がおかしいと感じてもそれは幻覚のせいである可能性もありますから否定しないで話をあわせるようにします。暴言が出るのは脳の機能が低下してしまっているからで、感情を抑えるスイッチが常にオフになっている状態です。

ですからちょっとしたきっかけで感情が爆発してしまい、暴言となってしまうのです。理解力も低下してますし、不安やいらだちなども大きいです。そのため不安を感じている時に何かのことで叱られるととっさに暴力となって手を出してしまいます。暴言を吐いていてもある程度のことは流して、落ち着かせることを優先的にするのが良いです。大丈夫だよという風に言ってあげることで気持ちが落ち着いてきます。

 

眠りの障害が出ないように予防するには?

昼夜逆転生活をまず改善することが大事なので、体内時計をリセットする意味でも太陽を浴びるようにします。さらに日中の活動量を増やして日中に起きている時間帯を増やしていきます。そして夜は暗くして眠りやすい環境を作ります。部屋を暗くすると不安がる場合がありますので足元を照らすような灯りを用意しておくことで不安解消するのがベストです。日中の活動量を増やすにはデイサービスなどを利用するのが良いですが、もしそれが無理でも家族と一緒に自宅周辺の散歩あるいは簡単な庭の草むしりをするなどもおすすめです。ポイントは無理のないことをさせるということです。洗濯物をたたむなどの行為も良いリハビリになります。

指先を動かしますので脳を刺激するのです。そして夜に眠りやすくするために就寝前にお風呂に入り、体を温めることが大事です。あまり量が多いのは夜にトイレへ行きたくなる可能性があるので避けたほうがいいですが、温かい飲み物を一杯程度を飲んでおくと体内が温まって眠りやすくなります。そして最も大事なことは患者本人の気持ちに寄り添うということです。そして介護している家族も無理をしないことです。患者本人だけではなく介護している側も精神的な疲労など苦労をたくさんします。これに参ってしまい、介護疲れとなってしまうケースは非常に多いのです。暴言や暴力などがある場合は尚更です。

しかしこれはあくまでも病気のせいですから、それに対抗してケンカをしても仕方ないことなのです。患者がどうやったら夜に気持ちよく眠ることができるようになるかということに焦点をあてて考えるようにするのがいいです。夜に出かけるといったら少しだけ外の景色を一緒に眺め、また明日出かけようと声をかけるだけでも患者の気持ちは落ち着きます。とはいえ、ずっと患者と一緒にいる生活が続くと介護する側も精神的にきつくなってしまいますので、施設を利用して短期入所をしたり、通所介護を利用したりして自分のくつろげる時間を作るのが良いでしょう。介護疲れから家族のほうがうつになってしまうこともあります。また虐待へと走ってしまう人もいます。

虐待をしてしまうのは自分のキャパシティ以上のことをしようとしているから、また認知症が脳の病気であるという理解をしきれていない場合もそうなってしまうことがあります。介護をするのは1人だけではなく、家族皆で協力して行うようにしましょう。そして患者が言うことをいちいち否定したり怒ったりするのは疲れてしまいますし、逆に患者の扱いが難しくなってしまうことがありますので、否定や叱ったりなどはしないでおくほうが気持ち的に楽になれます。

介護は患者と介護する側がどうやってうまくやっていけるかということを見つけるまでが大変ですが、一度見つけることができればそこからアレンジを加えるなどして調整をつけることができるようになってきます。また周囲に迷惑をかけられないからと自分一人が頑張る必要はなく、困った時には誰かに相談をするということを心がけると良いです。